研究概要 |
大腸菌における分泌型蛋白質の膜透過には、これまでに7種のSec因子(A,B,D,E,F,G,Y)が関与していることが明らかになっている。本研究はこれら因子の同時大量発現により分泌効率の向上を目指して行ったものであり、以下の点を明らかにした。 1.SecGの大量発現系を構築した。 2.反転膜小胞系においてin vitro膜透過速度の向上に因子の大量発現がどう影響するかを調べた。その結果、SecY,SecEのみの大量発現では活性上昇は数倍に過ぎないが、SecGもさらに大量発現すると数十倍活性を促進することが分かった。 3. 種以外に未知の因子が存在するかどうかを調べた。その結果、SecG遺伝子破壊株において分泌活性を上昇させる遺伝子を見出した。またこの遺伝子の塩基配列を明らかにした。 4.酸性リン脂質合成酵素を大量発現すると、低温での分泌効率が上昇することを見出した。
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