研究課題/領域番号 |
06558099
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安藤 敏夫 金沢大学, 理学部, 助教授 (50184320)
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研究分担者 |
武信 貴亮 オリンパス光学工業, 第2開発部, 研究員
林 美明 オリンパス光学工業, 第2開発部, 係長
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 走査型プローブ顕微鏡 / 高速走査 / AFM / カンチレバ- / 1分子力学計測 / 分子間力顕微鏡 / アクトミオシンモーター |
研究概要 |
新規な生物研究用走査型原子間力顕微鏡に求められる新しい機能として、高速走査と分子間力測定に焦点を絞った。高速走査は、従来型のAFMが1画像取得に分のオーダーの時間がかかっているという重大な問題を解決する。高速走査に適した独自設計のスキャナーを製作した。これを以前製作したプロトタイプのAFM装置に載せて試験したところ、最短で150ミリ秒で1画像を得ることができた。使用したカンチレバ-は従来型のために共振周波数は低いので、所々で探針が試料起伏に追いつかない現象が見られた。現在オリンパス光学工業で共振周波数が1メガヘルツに達し、且つ柔らかいカンチレバ-の試作を行っている。新しいスキャナーは我々が目指した高速走査を可能にすることが判明したので、これを搭載した新しいAFM装置を設計し、現在それを製作中である。分子間力測定のために、探針先端へのタンパク質1分子の捕捉法の開発、ピコニュートンオーダーの微弱な結合力測定のためのAFM装置の改良とソフトウェアの開発などを行った。分子間力測定の最初の対象として、ヘビーメロミオシン(HMM)・アクチンを選んだ。HMMのS2部の先端付近にウルトラアビジンコートした蛍光性ナノビーズを結合させることに成功した。また、探針先端にビオチンを導入し、この探針先端にHMM‐ナノビーズ1分子を捕捉することに成功した。この捕捉されたHMM1分子と基板に固定されたアクチンバンドルとの相互作用をモニターし、それらの認識距離(約5nm)と結合力(16pN)を決定することができた。
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