研究課題/領域番号 |
06558107
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芳賀 達也 東京大学, 医学部(医), 教授 (30011646)
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研究分担者 |
横山 茂之 東京大学, 理学系研究科, 教授 (00159229)
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)
藤原 忠美 株式会社ツムラ, 企画開発本部, 課長
佐々木 博美 株式会社ツムラ, 企画開発本部, 部長
亀山 仁彦 東京大学, 医学部, 助手 (50224697)
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キーワード | 受容体 / 高次構造 / レセプター / 神経伝達物質 / 伝達物質 / Gタンパク質 / アセチルコリン / ムスカリン |
研究概要 |
本年度はムスカリン受容体m2サブタイプ(m2受容体)のC末側の変異体の作製、精製法の改善に取り組み、また二次元結晶化を試行した。 受容体を簡便かつ効率的に精製するため、C末端尾部にヒスチジン6残基を融合した変異体を作成した。この変異体は金属キレートゲルにより一段階で20倍精製された。各種金属イオンを調べたところ、Coを結合した樹脂が精製に最適であることが分かった。ヒスチジン6残基の導入によって、m2受容体のGタンパク質活性化能は損なわれなかった。また、ヒスチジン6残基の導入は、培養細胞でのC末端尾部へのパルミチル化に影響しなかった。パルミチル化されない変異種はGタンパク質活性化能が低下する。ヒスチジン・Coゲル精製法は、従来のリガンドアフィニティークロマトグラフィーより精製効率は落ちるが、簡便で早く、回収率も高い。大量試料の処理に適しており、リガンドアフィニティークロマトグラフィーとの組み合わせにより、二次元結晶化に用いる受容体の精製が効率化される。また、この精製系のみで得られた標品はそのままリガント・受容体複合体のNMR・TRNOE測定によるアセチルコリンの構造決定用の試料として利用可能と考えている。現在その試料を蓄積中である。 二次元結晶化の試行では、予備的実験ながら一時元的な並びが観察された。今後さらに条件を検討する予定である。
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