研究概要 |
1)アカゲザルの選定 MHC class I スクリーニング (1)奄美大島で飼育されているアカゲザル約50頭および日本SLC(伊豆)の所有するアカゲザル38頭を調べた。 (2)血液より末梢血リンパ球(PBMC)を分離し,H.papioを用いてBリンパ球をトランスフォームしてB lymphoidblast cell line(BLCL)を作製した。 (3)作製したBLCLを^<35>Sでラベルして,ID-IEFによりMHC class I について解析を加えた。 実験に適するアカゲザルのスクリーニングとしてBウイルス,サル水痘ウイルス抗体の検査を行った。以上の検査より,コントロール実験および混合peptide抗原接種のために,Bウイルスおよびサル水痘ウイルスフリーのアカゲザル5頭を購入した。 2)ペプタイド合成 抗原用として(1)計画時点より新たに発見されたCTLエピトープに対するpeptideを追加すること,(2)諸外国で本年度に発表された実験結果を参考に数種の異なるpeptideを合成した。 合成peptide 次のpeptideを準備した。(1)P11(SIV mac gag),(2)P3A(SIV mac gag),(3)P3B(SIV mac gag),(4)P18(SIV mac gag) 3)ペプチドワクチンによる抗SIV免疫の効果判定のための技術としてin vivoにおけるSIV検出法の確立を行った。 (1)PCRによる血中リンパ球中のSIVプロウイルスの測定法 (2)quantitative competitiveRT-PCRによる血中ウイルス量の測定法 (3)In Situ Hybridizationによる組織中,特にリンパ節内のウイルスの同定法 (4)Immunohistochemistryによる組織中のウイルス感染細胞の同定法 また,SIV感染成立によるウイルスに対する液性免疫の測定法として精製SIV virionを用いたELIZA法を確立した。 以上の事より私達は,peptideは単独でなく混合して使用すること,また,peptideと組換えSIVの組合わせたもの,nefを欠如したSIVなどをワクチンの候補として試み,感染防御効果を調べる計画である。5頭のサルに準備出来次第免疫する予定である。
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