生体組織に対する高い透過性を有する近赤外光を用いて脳活動の変動に伴う血流変動を検出し、それによる画像化を行なった。この時、空間分解能を持たせるため、光子の飛行時間を計測する手法を用い、ここでは、半導体レーザー光に強度変調をかけ、その位相シフトを検出する方法の基礎的研究と、散乱系における光の挙動を理解するため光拡散方程式の検討も合わせて行なった。その結果、光拡散方程式の解は散乱項と吸収項に完全に分離されることが確認でき、散乱系での吸収定量の道を開いた。 次に光拡散方程式の解を生体組織に応用し、種々の条件下で吸収係数の絶対値を求めた。これにより、脳活動の上昇に伴う血流変動の絶対値を求め得ると結論した。これより変調分光法の有用性を示すことができた。
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