研究概要 |
平成6年度の研究で以下の結果を得た. 1.フラビン酵素であるジアフォラーゼ(Dp)およびグルコースオキシダーゼ(GOD)の反応を,フェロセンなどの電子メディエーター共存下で主にサイクリックボルタンメトリーにより解析し,酵素-電極間およびメディエーター-酵素間の電子移行を定量的に評価する手法を開発した.さらに,酵素を基板上に固定した場合の酵素活性を,マイクロ電極を用いて定量的に評価する新しい手法を提案した. 2.幅10μm,長さ3mmの微小バンド状電極が2-6本配列したマイクロアレイ電極を,ガラス基板上に作製し,その電極挙動を明らかにした.また,アレイ電極表面を,ポリピロール,ポリアニリンで被覆し,溶液中に各種化学種を添加した場合の高分子の導電率変化を電極間の電流,抵抗を測定することにより評価した. 3.導電率変化をスイッチ機能とみなすと,その応答は薄膜化により高速化できることを明らかにした.また,ドデシル硫酸共存下でピロールの電解重合を行うことにより,ポリピロールは基板表面に沿って成長し,結果的に超薄膜が形成できることを示した. 4.ポリアニリン/ペニシリナーゼ被覆マイクロアレイ電極,ポリアニリン/GOD被覆マクロアレイ素子を作製した.この素子を水溶液中に浸漬し,酵素基質を添加した場合の導電率変化を計測したところ,予備的ながら酵素スイッチ挙動が発現することを確認した.
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