研究課題/領域番号 |
06558118
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70241578)
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研究分担者 |
田中 元直 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006094)
吉澤 誠 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (60166931)
内田 直樹 東北大学, 医学部, 講師 (70241635)
阿部 健一 東北大学, 工学部, 教授 (70005403)
仁田 新一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (90101138)
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キーワード | カオス / フラクタル / 人工心臓 / リアプノフ指数 / 加齢 / KSエントロピー / フラクタル次元 / 決定論的カオス |
研究概要 |
人口心臓を装着した動物における老化現象の促進が注目されている。本研究はこれに注目して、人口心臓動物を実験モデルとしての加齢促進動物として捕え、非線形数学理論による全体論的解析によって加齢の本質を究明しようという全く新しい試みである。人工心臓動物の血行動態に非線形数学理論による解析を加えるために、まず方法論の確立を目的に、成山羊を用いた慢性動物実験を行ない、両心バイパス型の人口心臓を装着し、覚醒状態において人口心臓循環と自然心臓循環の比較検討を行なった。得られた血行動態時系列曲線を、パーソナルコンピュータに入力し、定量化、統計処理を行なうと同時に、非線形数学理論を用いて高次元位相空間内へ埋め込んでアトラクターを再構築した。カオス理論を用いてリアプノフ指数の解析を行ない、KSエントロピー及びフラクタル次元を求めカオスアトラクターの定量化を試みた。その結果、血行動態アトラクターの再構築には3次元以上の位相空間が必要であり、リアプノフ指数の計算による初期値依存性の判定から、人口心臓循環においても血行動態がカオス的な挙動を示していることが明らかとなった。更に、自然心臓循環と比較してフラクタル次元やKSエントロピーが変化するのが観察され、非線形数学理論による循環動態の異常の定量化の可能性が示唆された。このような方法論によって人口心臓をも含んだ循環制御系の全体論的な解析が可能になるものと考えられた。
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