研究課題/領域番号 |
06558121
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井街 宏 東京大学, 医学部(医), 教授 (10010076)
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研究分担者 |
阿部 祐輔 東京大学, 医学部, 助手 (90193010)
鎮西 恒雄 東京大学, 医学部, 助手 (20197643)
馬場 一憲 東京大学, 医学部, 助教授 (30181035)
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キーワード | 微小循環 / 固体撮象素子(CCD) / 画素数 / ファイバーオプティックプレート(FOP) / 細動脈 / 細静脈 |
研究概要 |
本研究は、固体撮象素子(CCD)および光源(LED)を体内に埋め込み絶縁したCCD表面に薄い生体組織を密着固定し、LEDで照射して透過的に微小循環を観察する新しい原理の装置の開発を目的としており、これにより従来不可能であった無拘束で長期間生体の微小循環動態を連続的に観察することが可能となる。昨年度までの研究で、この新しい原理の微小循環観察方法により、1/2インチ、25万画素のCCDを用いた場合その解像度は50μm程度で、生体に埋め込んだ場合数十μm径の細動・静脈を観察できることが明らかになった。しかし同時に、実用化のためにはより高解像度、高鮮明度のシステムにする必要性があることが指摘された。そこで、本年度は解像度と鮮明度を向上さすために以下の研究を行ない予定の成果を得た。 1.拡大機能の付与 レンズを用いずに画像を拡大する方法としてテ-パ-ファイバーオプティックプレート(以下t-FOP)を用いることを試みた。FOPを加熱下に引っ張り、ファイバーをテ-パ-状にすると、最大3倍までの画像の拡大が可能になる。このt-FOP(底面:6.5x4.8、接触面:2.2x1.6、高さ:15mm)をCCD面上に置き、エポキシ樹脂で包埋してFOPの固定とCCDの絶縁を行なった。 2.包埋樹脂の検討 昨年度まではFOPの包埋に透明なエポキシ樹脂を用いてきた。しかし、透明な樹脂を用いた場合、FOPの側面に光が入ると共にCCD面の一部にもFOPを通過しない光が侵入し、画像の鮮明度を低下させることが明らかになった。そのため本年度は黒色のエポキシ樹脂を入手し、包埋を行なった。 3.解像度の検討 以上のシステムでの解像度の検討を行なった結果、解像度はほぼ3倍に向上し、FOP上に血液を流した場合、血球の流れを確認することができた。 4.高密度CCDの採用 現在、1/3インチ、40万画素のCCDによるシステムを検討している。この素子では1画素当たりの大きさが7μm以下であるので、解像度の大幅の改善が期待できる。
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