研究課題/領域番号 |
06558122
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石原 一彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (90193341)
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研究分担者 |
山下 康彦 旭化成工業(株), 繊維技術開発総部・HF技術事業部, 部長
秋沢 忠男 昭和大学, 医学部・藤が丘病院・腎臓内科, 助教授 (40102339)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (30126263)
田中 志信 山形大学, 工学部, 助教授 (40242218)
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キーワード | 血液透析膜 / 血液適合性 / 抗血栓性 / リン脂質ポリマー / 血小板粘着 / タンパク質吸着 / 補体活性化 / 人工腎臓 |
研究概要 |
再生セルロース膜表面をMPCポリマーで修飾する場合、直接グラフト化を行う,共有結合及び分子間水素結合を利用する3通りのルートを検討した。共有結合するポリマーとして、MPCポリマーの構成ユニットの一成分としてセルロース表面に存在する水酸基と反応し得るエポキシ基(グリシジルメタクリレート)、あるいはカルボキシル基(メタクリル酸)を持つポリマーを合成した。そこで、MPCポリマー中の組成とポリマーの分子量を制御しながら、効果的にセルロース膜に反応するポリマー構造を規定した。一方、分子間水素結合を利用する表面修飾用MPCポリマーとして、セルロースユニットにMPCをグラフト重合した水溶性セルロースを合成した。主鎖を加水分解して低分子量化したセルロースに水を単一溶媒として系でMPCをグラフト重合し、側鎖にMPCポリマー鎖を導入した。このグラフトポリマー水溶性にセルロース膜を浸漬し乾燥しりことによりセルロースユニット間の水素結合により修飾したMPCポリマーの脱離が阻止できた。 MPCポリマーで修飾したセルロース膜をヒト全血あるいは血漿に接触させた際に膜表面で起こる反応に血液成分の反応について血小板粘着、機能変化さらに補体活性化に着目して観察した。さらに動物実験により、血流が存在する場合においてもMPCポリマーが抗血栓性の改善に有効であることを血液成分の連続モニタにより証明した。 膜面積が0.1m^2の中空糸型血液透析器を作製し、MPCポリマーでの表面修飾技術を確立すると共に、得られた抗血栓性血液透析器を用いてヘパリンを使用しないあるいはヘパリン使用量を少なくした条件で動物実験及び前臨床評価を行なう準備ができた。平成8年3月中に前臨床評価を始める予定である。
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