水面上に有機シラン化合物を展開し縮合重合することにより水面上に高分子有機シラン単分子膜を調製した。水酸基を表面に有するシリコンウエハ-基板に単分子膜を垂直引き上げ法で移しとった。基板には水酸基が存在するために有機シラン単分子膜を水酸基と反応し、単分子膜は基板に固定化された。表面への固定化をX線光電子分光測定装置(XPS)、フーリエ変換赤外分光に基づき評価した。また固定化単分子膜は、従来の非重合性の単分子膜に比べて、環境変化、周囲温度の変化に対して極めて安定であることを明らかにした。293Kにおいてアルキル基を疎水基に有するオクタデシルトリクロロシラン(OTS)は結晶性を、フルオロアルキル基を疎水基に有するパ-フルオロオクチルエチルトリクロロシラン(FOETS)は非晶性の単分子膜を形成することを電子線回折に基づき明らかにした。結晶性のOTSと非晶性のFOETSの混合単分子膜をシリコンウエハ-上に調製した。原子間力顕微鏡観察、摩擦力顕微鏡観察により混合単分子膜が相分離構造を形成することを明らかにした。また相分離がOTSの結晶化を駆動力とすることを明らかにした。更に相分離表面への血漿タンパク質の選択吸着をAFM観察により明らかにした。
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