研究課題/領域番号 |
06558127
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
古幡 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70056985)
|
研究分担者 |
鈴木 義規 株式会社東芝, 研究開発センター, 主任研究員
飯島 史朗 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (30222798)
木村 都 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (20050734)
原 正忠 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60147345)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
キーワード | 超音波 / 血栓溶解 / plasmlnogen activator / 血栓 / FDP / 血流再開通 / 冠動脈 / 虚血障害 |
研究概要 |
塞栓部高速血流再開通のための標的部位に対する超音波照射と経静脈的血栓溶解剤(TPA)投与の併用による血栓溶解療法を提案し、その実用化試験研究を行い、実用化の基礎となる次の成果を得た。 (1)超音波周波数依存性:血栓溶解効果を血栓重量減少率、FDP-DDの測定実験から周波数100KHz〜300KHZの間に溶解率を高める特異性を認めた(in vitro実験)。 (2)照射パワー依存性:超音波パワー増強にほぼ比例した溶解率の上昇を認めた(in vivo実験)。 (3)血栓溶解産物:血栓溶解液の電気泳動実験による測定分析から、超音波照射による特異的な分解産物は産生されず、t-PA単独使用時に比べ分解産物の濃度のみが上昇した。(in vitro実験)。 (4)犬冠動脈再開通の高速化:急性心筋梗塞に対応する左前下行枝急性閉塞犬実験モデルで、超音波併用法がt-PA単独使用の1/3の開通時間(15分)程度とすることを確認した(in vivo実験)。 (5)安全性評価:光顕及び電顕的に心筋に損傷を与えないことを確認した(in vivo実験)。 (6)生体適用パワーレベル:胸壁における超音波減衰を実測し、生体組織への損傷を与えないパワーレベルで、塞栓部高速血栓溶解に有効な超音波照射の可能なことを確認した(in vivo実験)。 (7)陳旧化血栓への有用性評価:クモ膜下出血などの血腫に対応する陳旧化血栓の溶解実験から、陳旧化血栓(24時間)に対しても本併用法が優位なことを確認した(in vitro実験)。 (8)実用化の見通し:以上の基礎的検討からヒト心臓領域への安全な適用見通しを得た。また、再開通時間の短縮について理論的限界時間(約5分)は脳血栓塞栓部への適用可能性も示した。
|