研究課題/領域番号 |
06558130
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
平松 修 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (50208849)
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研究分担者 |
立花 博之 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助手 (00241216)
望月 精一 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (60259596)
松本 健志 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 講師 (30249560)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
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キーワード | CCD生体顕微鏡 / 冠微小循環 / 細動脈 / 細静脈 |
研究概要 |
冠血管は収縮と弛緩を繰り返す心筋内を走行するため、心筋収縮による機械的圧迫を受ける。そのため、冠動脈血流は心筋が弛緩する拡張期に心筋内に流入し、心筋内に溜まった血液は心筋収縮により冠静脈に搾り出される。すなわち、心筋収縮の影響を直接受ける冠微小血管の拍動特性を評価することは冠循環系の理解にとって極めて重要である。病態生理学的にも心筋虚血は心内膜に多いが、その主たる理由はその拍動特性によると考えられている。ところが、冠微小血管の観察は心臓の心拍動に伴う移動のため、その観察には大きな制約を受け、これまで顕微鏡映画法のみが唯一の方法であった。しかし、この方法で観察できるのは心筋表層の微小血管に限られ、心筋虚血が発生しやすい心内膜側微小血管の観察は不可能であった。近年、ニードル型CCD生体顕微鏡が開発され、心内膜側微小血管の観察が可能となり、心内膜側冠微小血管の拍動変化が心外膜側のそれとは全く異なることが報告されている。すなわち、心筋収縮の影響は心筋内の部位によって異なるため、心外膜側、心内膜側のみならず心筋内層部冠微小循環の直接観察が必要である。本研究では、プローブの側面を視野とするCCD生体顕微鏡用の側視型ニードルプローブを開発し、心筋内層部での細動脈、および細静脈の観察をプローブ挿入の影響を可及的に少なくして観察することを可能とし、それを心外膜側および心内膜側の冠微小血管の特性と比較した。その結果、収縮期における心筋内層部細動脈の管径は減少し、その程度は心内膜側とほぼ等しかった。一方、細静脈径は心内膜側のそれとは異なり、ほとんど変化しなかった。すなわち、細動脈および細静脈に対する心筋収縮の影響は、心筋中層部では異なることが示された。
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