研究課題/領域番号 |
06559006
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研究種目 |
試験研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
富安 博 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (50016854)
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研究分担者 |
池田 泰久 産業創造研究所, 主管研究員
和田 幸男 動燃事業団, 室長
藤井 靖彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016869)
原田 雅幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (20156516)
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キーワード | 再処理 / ウラン / プルトニウム / 超ウラン元素 / 光反応 |
研究概要 |
本年度は、光反応を利用して、プルトニウムとネプツニウムを含む溶液からネプツニウムを分離するための研究を行った。使用済核燃料の溶解液をTBP(リン酸トリブチル)を用いて抽出すると、有機相にウランとプルトニウムが移行するが、有機相には、さらにネプツニウムも数10%移行する。このネプツニウムは、プルトニウムを有機相から水相に逆抽出する際に、水相(硝酸溶液)にプルトニウムと混在する。本年度は、プルトニウムとネプツニウムを含む硝酸水溶液から、それらを分離する実験を行った。方法は、最初に、ヒドラジンを用いて溶液を還元雰囲気にする。この状態では、プルトニウムはPu(III),ネプツニウムはNp(V)として存在する。次に、溶液にある一定量の光(高圧水銀ランプ)を照射すると、Pu(III)はPu(IV)に速やかに酸化化され、Np(V)はそのままの原子価を保つ。同じ条件で、光照射を行わない場合においても、長時間の加熱により、Pu(III)はPu(IV)さらにPu(VI)に酸化され、Np(V)もNp(VI)に酸化される。すなわち、Pu(IV)とNp(V)の原子価調整は暗反応では極めて困難であるが、光反応を用いると、原子価調整は敏速かつ効果的(ほとんど100%)であることが分かった。この原子価では、Np(V)はTBPに抽出されないが、Pu(IV)はTBPに抽出されるため、効率よい分離が可能である。
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