研究分担者 |
佐藤 文宣 ミズノ(株), 研究開発部, 研究員
福岡 正信 アシックス(株), スポーツ工学研究所, 研究員
宇佐美 彰朗 東海大学, 体育学部, 教授
小林 一敏 中京大学, 体育学部, 教授
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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研究概要 |
人がランニングをしている際に,サーフェス・シューズ・踵のそれぞれに作用する荷重を再現するための試験条件として,質量が20kgの衝撃体により速度が1m/sの衝突試験を行う必要のあることがわかった.そして,この条件のもとで衝突時に発生する力と変形の応答を精度良く計測するシステムを構築するとともに衝突試験装置を製作した.この試験システムにより,本研究の目的を達成し得る計測が可能であることを確認するために,人の踵・シューズ・サーフェスの三者に対して予備実験を行った. 荷重波形については,持続時間約40ms・最大荷重2kNの正弦波パルスとなり,人による実際のランニング時の荷重波形をほぼ再現していることがわかった.しかし,踵への衝突試験では被験者に痛みが伴うので試験方法の改良が課題となった.測定された荷重と変形の応答波形からは,時間軸を消去することにより荷重・変形線図を導出し,この線図から試験体によるエネルギー吸収量・反発弾性・弾性率などの評価パラメータを定義し,これらのパラメータが人の踵・シューズ・サーフェスの特性を代表し得る事と人による官能評価と相関がある事を確認した.しかし,まだ測定例が限られた予備実験の段階であるので,今後の本実験によるデータの蓄積が必要であることも明らかになった.またサーフェスについては,現場で試験を行う必要があり,そのためには試験システムは運搬に便利であり,屋外での測定が可能なシステムに改良する必要性も明らかになった.また試験システムによる機械的評価と並行して,人による官能評価とその精度向上も必要であることがわかった.
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