研究課題/領域番号 |
06559007
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
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研究分担者 |
佐藤 丈宣 ミズノ(株), 研究開発部, 研究員
福岡 正信 アシックス(株), スポーツ工学研究所, 研究員
宇佐美 彰郎 東海大学, 体育学部, 教授 (90119652)
小林 一敏 中京大学, 体育学部, 教授 (90015967)
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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キーワード | ランニング / シューズ / スポーツ・サーフェス / 生体 / 衝撃吸収性 / 衝突試験システム / 材料特性 / 官能評価 |
研究概要 |
本年度の研究実績をまとめると以下のようになる。 (1)圧電セラミックスを用いたロード・セルを製作することにより、ランニングにおける踵部の衝突条件を満足させた正確な荷重計測ができた。変形に対しては、光学式変位計を用いることにより、荷重と同期させた非接触で高精度な計測が実現できた。 (2)上記の計測システムにより得られた荷重と変形の時間応答から、動的な荷重・変形線図を求め、シューズの力学特性の指標となる力学量として、最大荷重・最大変形量・荷重上昇時間・弾性率・エネルギー吸収量・反発弾性を抽出した。 (3)人の感覚によるシューズの評価法として、官能評価試験を行った。その結果からシューズをかたさと良し悪しの項目について相対評価したところ、分類されたシューズには相関が見られ、やわらかく感じられるシューズが良いと評価れる傾向の見られることが明らかになった。 (4)シューズの踵部に対して静的試験と衝撃試験を行い、機械試験から抽出された力学量によって分類したシューズと官能評価試験で分類したシューズとの相関を調べた。その結果、官能評価と明確な相関の見られた力学量は、静的試験では、弾性率やエネルギー吸収量、衝撃試験では最大変形量や荷重上昇時間であることがわかった。 (5)廃棄されたシューズと新しいシューズに対して同様の機械試験と官能評価試験を行い、破棄した理由と力学量との相関を調べた。その結果、シューズのかたさとの相関は見られなかったが、クッション性の低下による力学量の変化との相関が見られることが明らかになった。 (6)本研究において開発した計測システムがサーフェスに対しても有効であることを調べるために、東京都内2ヶ所の陸上競技場のポリウレタン走路においてその力学特性の計測を行った。計測結果により走路の表面性状や材料特性だけでなく、素材の配合や構造の相違を識別することが可能であり、人の感覚と対応する力学量を測定結果から抽出することが可能であることが明らかになった。
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