研究課題/領域番号 |
06559009
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 眞 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (30144398)
|
研究分担者 |
小野 浩 セイコー, イージアンドジー株式会社・技術部, 主任
五十棲 泰人 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50027603)
片野 林太郎 京都大学, 化学研究所, 助手 (50231254)
戸崎 充男 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70207570)
|
キーワード | ガス検出器 / 1次元位置検出器 / ガス封入型 / 高気圧計数ガス / 実用的 |
研究概要 |
当初計画案通り、平成8年2月現在で、高気圧ガスハンドリングシステム、ガス封入型検出器本体及び内部構造の製作が完成している。現在ガス封じ込め特性調査を中心に行っている。 (1)ガス封入型検出器の製作:十分なガスリザーバーを有し、検出器壁面をX線が叩くことによる妨害効果を除去できる特徴ある検出器本体及び内部構造の製作が完成させた。ガス封入型検出器材料のうち、特に問題となる位置読み出し用電極の材料を詳細に調査し、従来使用してきたエポキシ樹脂を使用したバックガモンパターン用布基材はアウトガスが多く封じ込め材としては不適切であることが判った。エポキシ樹脂を使用しない直接銅を基板に張り付けた基材が国内で入手できたため、この基材を使用し、フェトエッチング法により線幅100μmのバックガモンパターンを作ることが出来た。このバックガンモパターンを装備し、更にガス封入型に適した芯線固定法、検出器内面処理法についても工夫をこらしたガス封入型検出器が完成している。 (2)高気圧ガスハンドリングシステムの完成:脱酸素、脱水カラムを備えたガス純化装置、計数ガスの種類、混合比を変化させることが出来る高気圧ガス混合回路、空気中酸素のback diffusionを軽減化できる検出器用ガス回路、これらすべてをオイルフリーターボポンプと組み合わせたシステムを完成させた。現在ガス封じ込め特性調査を行っていいるが、Ar系の計数ガスに対しては、良好な性能を得ている。しかし、Xe系のガスについてはまだ長期の安定性が得られず、特にガス純化装置の性能を向上させる必要があることが判った。 (3)成果発表:各段階で予備実験を行いながら進めている。その結果高気圧下での空間電荷効果が引き起こす検出器応答について新たな知見が得られた。光電効果によって発生する計数ガス原子の特性X線に起因するイベント(Haloイベント)は位置分解能を悪化させることが知られている。我々は、制限比例領域では、Haloイベントは通常の光電イベント(光電子+Auger電子)よりも大きなガス増幅率を持つことを見出し、詳しい解析によりこの機構を解明した。この成果を「Effect of self-induced space charge in a high pressure position-sensitive proportional counter」Nucl. Instr. and Meth. . A368(1996)738-744として論文発表した。
|