研究概要 |
(1)現在の授乳室内環境の実態把握ならびに褥婦の意識調査を行い,現状における問題の抽出 (1)調査の結果から,換気が不十分,温度では日中高く夜間が低い,騒音,手元が暗いなどの物理環境の問題が抽出。従って,室内環境評価法(心理測定および物理的環境)の確立が課題である。 (2)行動面では,広さへの不満,授乳室への移動のしにくさ,備品の配置が不適切などが抽出。また人間関係ではプライバシーが確保できない。情緒・心理面の快適性では,休息・気分転換のしにくさ,備品の色彩・植裁の量などが抽出された。 そこで,授乳にかかわる空間の利用主体として褥婦・新生児・看護婦を採り上げ,各主体および主体間の関係に対して適切な授乳に関わる空間のレイアウト設計に対する要求条件の把握が必要なことが明らかになった。 従って,1)利用主体の,行動,作業,意識の調査研究 2)利用主体等を被験者とした箱庭手法による実験 3)空間のレイアウト設計に対する要求条件を得る (2)授乳中の褥婦の,精神活動を脳波マッピングにより予備実験 女子学生をモデルにプレテスト,また授乳中の褥婦を被験者に予備実験した。本実験手法,データ処理,読解は次年度に繰り越す。 (3)授乳中の褥婦,新生児の心電図モニタ(新生児モニタ)による生理検査の予備実験中である。授乳のストレスなど情緒面の感覚量と併せた調査が必要。 平成6年度は,問題の査定化,分析化を行い,次年度に向けた研究手法の基本方針の決定という目標は,ほぼ達成できた。
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