研究課題/領域番号 |
06559020
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
池中 一裕 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00144527)
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研究分担者 |
吉松 忠憲 湧永製薬株式会社, バイオ研究所, 副主任
三好 健一 湧永製薬株式会社, バイオ研究所, 所長
清水 恵司 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162699)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 脳グリオーマ / 遺伝子治療 / HTK遺伝子 / ウイルス産生細胞 / ウイルス遺伝子 / リポソーム法 |
研究概要 |
腫瘍へのHTK遺伝子導入とガンシクロビル(GCV)投与による遺伝子治療が米国では臨床応用されている。しかしウイルス産生細胞を直接投与する方法でも、レトロウイルスの力価の低さや免疫学的反応、さらに脳グリオーマ細胞の高い遊走性を考えるとグリオーマを完全に治癒させる事は難しいと考えられる。そこで我々はグリオーマに直接、ウイルス遺伝子をもつプラスミドと組み換えウイルスのプラスミドを同時にリポソーム法を用いて導入し、グリオーマ自身をレトロウイルス産生細胞に変える方法を検討した。まず我々が従来用いていたHTK遺伝子にはpolyA付加シグナルが付いていることが明らかとなったため、それを除いたベクターを構築したところウイルスのタイタ-が上昇した。次に我々の用いたグリオーマ細胞、ベクター系におけるby stander効果(GCVの投与で、HTK導入細胞周辺の導入されていない細胞にも細胞障害を引き起こす効果)をin vivoで検討したところ、グリオーマ細胞全体に対してHTK遺伝子導入が25%の細胞に行われれば十分な腫瘍抑制効果が得られることがわかった。レトロウイルス産生グリオーマ細胞形成法の確立については、まずφ2細胞からgag,pol遺伝子を、PA317細胞からenv遺伝子を調製し、これらの強制発現ベクター構築から始めた。このベクターを細胞へ導入したがウイルス産生が見られなかった。そのため、どの遺伝子に問題があるのかを検討中である。マウス個体を用いたグリオーマへの遺伝子導入効率の至適化についての検討は、in vivoでのマウス脳内グリオーマへのリポソームによる遺伝子導入によって行った。3種類おリポソーム試薬を用いて行ったがその導入高率は悪く、別の導入法も含めた検討が必要と考えている。また正常脳内へのリポソーム投与で細胞毒性が見られた試薬もあり、さらに慎重な検討が必要と考える。
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