• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

近世江南郷村社会における宝巻の役割をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610016
研究機関富山大学

研究代表者

磯部 彰  富山大学, 人文学部, 教授 (90143841)

キーワード前期(宝巻) / 後期(宝巻) / 共同体 / 教派系宝巻 / (新蒐)宝巻十数種 / 中華書局影印本 / 宝巻所蔵目録 / 白話文学作品
研究概要

中国近世江南の都市・農村で流布した宝巻は、前期と後期とで、その性格・内容が相違する。前期では、宗教の宝典として共同体構成員の意識裡に留められ、その刊行部数は少なかった。それに反して、後期に入ると、白話小説や戯曲を多少宗教的な色付けをした一種の読み物として再登場し、地方の人々に対しては知識普及の役割を有した。その結果、前期宝巻は清朝政府の弾圧に遭ったが、後期のものは都市部で公然と印刷されて売られるまでになった。その情況変化のもとで、観音十二円覚宝巻や十王宝巻、羅祖五部六冊などの教派系宝巻が再度、重印されたが、宗教的な受容ではなく、一種の語り物としての要素が強く意識された。この考察結果は、従来の宝巻研究史には欠ける点と思われる。新たに蒐集した清代及び民国初期の宝巻原本は十数種に及び、宝巻所蔵目録に補足されるものであり、その一方、中華書局影印本宝巻全集は、未見の宝巻及び白話文学作品との関係で重要な手懸りを与えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 磯部,彰: "豊後佐伯文庫の『以呂波分書目』" 東方. 159. P2-P6 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi