• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 研究成果報告書概要

近世江南郷村社会における宝巻の役割をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610016
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 中国哲学
研究機関富山大学

研究代表者

磯部 彰  富山大学, 人文学部, 教授 (90143841)

研究期間 (年度) 1994 – 1995
キーワード瑪瑙寺 / 教養系宝巻 / 故事系宝巻 / 甘粛地方 / 迷信 / 東京大学蔵宝巻 / 富山大学蔵宝巻
研究概要

近世中国江南地方を中心に行なわれた宝巻は,教義系のものと,故事系のものと分かれる。教義系宝巻は,杭州・瑪瑙寺などで印刷され,一方の故事系宝巻は上海などの近代都市で石印されて流布した。故事系のものは,近代中国人にとって娯楽的に受容されていたように見なされて来たが,実はなお宗教活動の重要要素としても維持されている。現代においては,社会主義体制の強化により表面に現われなかった時期があるが,依然として農村部の郷村社会でも表演されていることが判明している。郷村の宗教的定期活動において、在俗の人士が宝巻を唱導する。また,宝巻の流布地区は,従来の通説では江南地方,つまり長江以南とされてきたが,近年の調査では中国の西北,それも甘粛方面でも行なわれているとされる。宝巻の調査報告によれば,演目は江南と同一のものであるが,既存の蒐集宝巻の内容と比較するとかなり内容が異なる。その流行地域の拡大,内容の相違については,新たな分析が必要になろう。今年度蒐集した宝巻・宝典は多くは清末のものであったが,国内に乏しい版本,鈔本であるものもあり,その紹介を行なった。また,東京大学でも目録等に記載されていない宝巻がいくか存在し,教義系・故事系双方に亘っている。宝巻については,中国側はなお迷信ということで制約を加えつつあるため,国外研究者のアプローチが大切になっている。富山大学の蔵本として蒐集した宝巻名については,紀要に報告した。目下,中国でも禁書扱いとなっているため,外国人が宝巻研究をする必要にある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 磯部 彰: "豊後佐伯文庫の『以呂波分書目』" 東方. 159. 2-6 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 磯部 彰: "越中国学所蔵宝巻・宝典について" 富山大学人文学部紀要. 23. 15-38 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 磯部 彰: "『唐僧取経図冊』に窺う「西遊記」物語" 富山大学人文学部紀要. 24. (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Akira Isobe: ""The Irohawake-shomoku of Saiki-bunko"" Toho. Vol.159. 2-6 (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Akira Isobe: ""The Pao-chuan and Pao-tien of The Toyama University"" Journal of the Faculty of Humanities Toyama University. No.23. 209-232 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Akira Isobe: ""The story painted by The Tang-seng Chu-ching Tu-tse"" Journal of the Faculty of Humanities Toyama University. No.24. 325-338 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1997-03-04  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi