2年度は、初年度に収集した資料のコンピューターへの入力を行った。およそ50年間にわたる、4百弱の教団すべてのデータ入力には膨大な時間を必要とした。データは、表計算用のソフトに入力され、合計や統計処理が可能な状態になった。また、あわせてデータのグラフ化も可能となった。資料を整理した上で、他の研究者にも利用を図るために資料の刊行を行った。 ・初年度に作成した『宗教年鑑』記載された373の包括宗教法人に関する非包括宗教法人数、宗教法人数、教師数、信者数をコンピューターに入力した。入力の際に、データの打ち誤りがないかをチェックするために、入力したデータをいまいちどオリジナル・データに照合した。入力及びデータのチェックには膨大な時間と労力を必要として、今年度の作業の大半は、この作業のために費やされた。こうした地道な作業が、本研究の中心的課題であり、これまでこうした基礎的作業が行われず、不十分な基礎データの上に論議が行われてきた過去の経緯に、大きな成果をもたらしたものと考える。 ・同様に、『宗教年鑑』記載の都道府県別信者数のコンピューターに入力した。過疎・過密という人工動態上の変化が、宗教法人の在り方にどのような変化を及ぼしたかを知ることが可能となり、有意義な結果が得られた。 ・本研究の報告書を作成し、他の研究者に配布した。この研究成果は形を変えて、広く社会に還元されるべきものであると考える。今回配布を予定している宗教学者、宗教社会学者、隣接諸学研究者、マスコミ関係者以外にも、データを整理縮小した上で、提供することを検討した。
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