研究課題/領域番号 |
06610060
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
井上 孝代 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 助教授 (30242225)
|
研究分担者 |
田中 共子 広島大学, 留学生センター, 助手 (40227153)
鈴木 康明 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (40242226)
|
キーワード | 異文化間カウンセリング / グループワーク / 非言語 / 臨床 / 投影法 |
研究概要 |
本研究の目的は異文化間カウンセリングに独自な技法の開発を目指して、言語治療や共感性に頼らない非言語的技法について、その有効性と実用性を実験臨床心理学的に検討することにある。 1年目として、本年度は、予防的・治療的・測定的視点にたち、工夫の可能性のある3技法を選んで、実験臨床心理学的な方法による基礎的知見・交差文化的データを蓄積した。 具体的には、(1)「集団療法(グループワーク)」の取り入れの可能性と留学生を対象にする場合の独自の方法の開発、(2)「サンド・プレー」・「コラージュ」など言語能力を問わないアセスメントをカウンセリングの導入として用いることの有効性の実証(3)留学生の意文化間欲求不満を測定する投影法としての「PFスタディ」の開発と試用、の3点を行い、現在も進行中である。 新たに得られた知見として、異文化間カウンセリングにグループワークを適用することの有効性に関して、グループの大きさ、課題の与え方、効果などについて実証事例が得られた。ピア・グループの有効性も確認された。また、「催眠」・「イメージ」・「自律訓練」・「動作法」などの技法を対象によって使い分け、その効果が実証されつつある。「PFスタディ」については、「文章完成法」を工夫して用い、あわせて面接法も用いることによって、その効果を明確にしつつある。 以上の成果は「非言語的アプローチとしてのサンド・プレー導入」(日本学生相談学会第12回大会1994)、「在日1年目の留学生の異文化適応と健康:質問紙調査と異文化間カウンセリングの事例から」(異文化間教育学会1994)、「中国人留学生の異文化欲求不満に関する縦断的研究」(異文化間教育学会1994)などの学会で報告した。
|