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1994 年度 実績報告書

音律の違いによって生じる演奏の心理的印家の差異

研究課題

研究課題/領域番号 06610079
研究機関京都市立芸術大学

研究代表者

大串 健吾  京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (00203745)

キーワード音律 / 平均律 / ピタゴラス音律 / 純正律 / ヴェルマイスター音律 / キルンベルガ-音律 / 多次元尺度法
研究概要

音律とは1オクターブ内の音高の相対的な関係を数理的に規定したものである。これまでに多くの音律が提案されているが、これらの音律の心理的な評価実験はほとんど行われていない。そこで、ここでは、さまざまな音律による演奏の心理的な印象の違いを明らかにするために、比較的よく知られている7種類の音律(平均律、ピタゴラス音律、純正律、ミーントーン音律、ヴェルクマイスター音律、キルンベルガ-音律、ヤング音律)で演奏されたハ長調音階を用い、評定尺度法および一対比較法によって聴取実験を行った。評定尺度法においては、評定者(音楽専攻大学生)は各音階を聴き、音律の良さを5段階で評価した。評価3が許容限界である。両実験の結果はほとんど同じ傾向、すなわちピタゴラス音律が最も良く、次いで平均律が良いという傾向を示した。調性的音律と言われるヴェルクマイスター、キルンベルガ-、ヤングの各音律も比較的良い評価を得た。しかし、和声音律である純正律と3度の和声が純正であるミーントーン音律は、ここで実験を行った音階に関しては許容限界以下の評価になった。純正律では全音に大全音と小全音の2種類があることが、評価を悪くする一つの原因になっていることがわかった。
各音律の物理量(セント値)を調べたところ、全音が広く、半音が狭いほど評価が高くなる傾向を見いだした。そこで、ピタゴラス音律よりもさらに全音の間隔を広くした(半音の間隔を狭くした)音律を含む7種類の音律を作り、ハ長調音階の聴取実験を行ったところ、やはりピタゴラス音律が最も良く、それ以外全音を広くするとかえって評価が悪くなることが明らかになった。プロのヴァイオリニストによる音階の演奏の音律を調べるとピタゴラス音律に最も近いという報告もあるが、われわれの実験結果から見るとこの報告は非常によく理解できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大串健吾: "Subjective evaluation of varions tcmperaments" Proceedings of the 3rd ICMPC. 289-290 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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