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1995 年度 実績報告書

音律の違いによって生じる演奏の心理的印象の差異

研究課題

研究課題/領域番号 06610079
研究機関京都市立芸術大学

研究代表者

大串 健吾  京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (00203745)

キーワード平均律 / 純正律 / ピタゴラス音律 / ヴェルクマイスター音律 / キルンベルガ-音律 / 音律 / 古典音律 / 調律
研究概要

音律には、平均律、純正律、ピタゴラス音律をはじめ多種類のものが存在するが、現在ではほとんどのピアノが基本的には平均律に従って調律されている。しかし、著名な音楽学者による、平均律による調律を否定し古典調律を支持する意見が出版されている。もしこの意見が正しければ、現在のピアノの調律をすべて見直す必要がある。しかし、この意見は多くの聴取者による客観的なデータに基づくものではなく、個人的な印象に基づくものである。
そこで、多くの聴取者による聴取実験を行い、上の意見が客観的に正しいかどうかを調べた。実験においては、電子ピアノによる同一演奏を、古典音律であるヴェルクマイスター音律、キルンベルガ-音律および平均律、純正律、ピタゴラス音律の5種類によって録音し、音楽を専攻する学生、専攻しない学生の多数の評定者を用いた聴取実験を行った。演奏曲目は、バッハ、モ-ツァルト、ベートーヴェン、シェーンベルクの作品の中から、ハ長調、ホ長調、嬰ハ長調、無調などのさまざまな調性を選び、実験方法も一対比較法と評定尺度法の両者を用いた。
実験の結果、ほとんどすべての場合に平均律による演奏が最も好ましいと判断された。すなわち、古典音律による演奏が平均律による演奏よりもすぐれているという結果は得られなかった。
これまでの研究で、旋律のみの演奏においてはピタゴラス音律が優れ、また和音のみの演奏においては純正律が優れていることが知られていたが、われわれの実験結果では純正律とピタゴラス音律の中間的な性質をもった平均律が最も好ましいという結果になったのは極めて妥当なことだと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下迫晴加,大串健吾: "ピアノ演奏による音律の主観的評価" 音楽学. 40巻2号. 111-124 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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