研究概要 |
特定の小学校を対象に過去の人事異動の実際を面接調査し,転任の経緯の基本的資料を得るとともに,小学校で担当した学年を詳細にヒアリングし,担任移動のデータを獲得した。校長と教頭に個別面接調査し,その学校の教員の人事異動の理由を管理職の側から明らかにした。教員の人事異動,クラス担任移動には公式,非公式の理由が明らかに存在している。研究成果は1996年3月4日から開かれたサンフランシスコの教育フォーラムの初等教育部門で発表した。分析結果から日本の教員はスペシャリストではなく,ジェネラリストとして把握される。次に,小学校の教員が指導体験を通して内面化しているカリキュラムに対する知識構造を,特定領域に限定して調査してきた。小学校の教員は,国語,社会,算数など特定の教科における専門知識を持っている半面,いろいろな教科を担当している。学年移動は教科の知識(カリキュラムの知識)を幅広く,かつ深くさせると予想されるが,キーワード法による実証的分析を試みたが検証することは出来なかった。今後はさらに方法論を洗練させて,さらに深く追究することによって明らかにしたいと考える。教員のキャリア発達の在り方について改革提言できる資料を提出できれば幸いである。
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