研究課題/領域番号 |
06610117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
一丸 藤太郎 広島大学, 教育学部, 助教授 (30033575)
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研究分担者 |
森田 裕司 広島経済大学, 学生相談室, 助教授 (80239665)
勝美 吉彰 広島大学, 保健管理センター, 助手 (74062235)
兒玉 憲一 広島大学, 保健管理センター, 助教授 (10186702)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 自助グループ / 不登校児親の会 / 血友病患者家族会 / 断酒会 / 障害児親の会 / 不登校 / HIV / AIDSカウンセリング / グループ・セラピー |
研究概要 |
3年間の研究で参与観察、あるいは半構造化面接を実施した「自助グループ」は、「不登校児親の会」、「適応指導教室へ通う不登校児のグループ」、「情緒的、知的障害を持つ親の会」、「断酒会」、「血友病患者家族会」、「C会(HIV感染者のセルフ・ヘルプ・グループ)」、「難病者友の会」などであった。これらの「自助グループ」の調査から、以下のことが明らかになった。 1、「自助グループ」は、「同じ悩み、苦しみ、障害を持つ人やその親」だけで構成されているものと、そうした人に加えて「ボランティアーが加わった」ものがあった。ボランティアーが加わった「自助グループ」では、社会により目を向けており、自分たちの障害や苦しみ隠すのではなく、偏見や差別の解消へ取り組む傾向が認められた。「自助グループ」の社会への訴えや運動は、これからますます盛んになるものと思われる。 2、多くの「自助グループ」は、ほぼ援助的な活動を行っていたが、反援助的な「自助グループ」もあった。それらのグループでは、「専門家との連携がない」、「リーダーの考えだけで運営される」、「グループ・メンバーが階層化、固定化されている」といったような特徴が見られた。 3、相互援助的な要因は多様であったが、「悩みを共有出来ること」、「対応について相互に教え合うこと」、「他のメンバーと交わることにより、数年後の自分たちの姿を予測できて安心すること」といったことから、「ボランティアーが加わった自助グループ」では、より社会へと目を向け、メンバーだけで孤立せず、より積極的であった。 この数年で多くの「自助グループ」が新しく形成され、活発な活動を行うようになってきており、より広範囲な研究が必要となってきている。
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