1 家族システム図の作成 前年度に完成させた家族療法事例データ・ベースを利用し、家族療法によって問題解決をした登校拒否家族の家族システム図をパソコンで作成する手法を確立した。これによって、従来、個々の臨床家によって恣意的に行われていた家族システム図の作成方法を統一することができた。また、作成された家族システム図を順次データ・ベースに入力することによって、文字情報ばかりではなく視覚的情報によっても臨床事例の検索を行うことが可能になった。 2 家族療法における面接過程の構成 治療が終結した4家族の逐語録をもとに治療的変化が生じている面接場面を特定した。各家族システムを構成するサブシステムのなかでも鍵的役割を果たすと仮定されたものを選択した。この鍵サブシステムに治療者側からどのような援助的介入がなされたかを逐一明らかにする分析作業を行った。この準備作業を経て、面接過程を前期、中期、後期の3期に分け、全体を1つの表にまとめて記載する表記法を開発した。この表記法を用いることで、登校拒否問題を抱えた家族への援助的介入過程と問題解決過程の実例を統一された様式で提示することが可能になった。 3 問題解決の類型化 上記の分析作業に基づいて家族療法を用いた登校拒否問題の解決パターンを、その程度と解決に要した期間の長短に対応させて3つに分類した。この3つの解決パターンを、今後は本エキスパート・システムの基本メニューとして活用することが期待できるであろう。
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