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1996 年度 研究成果報告書概要

自閉症乳幼児の母子相互反応の前方視的検討

研究課題

研究課題/領域番号 06610127
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関琉球大学

研究代表者

財部 盛久  琉球大学, 教育学部, 助教授 (50175436)

研究期間 (年度) 1994 – 1996
キーワード自閉症乳幼児 / 前方視的検討 / 母子相互反応 / 追跡調査
研究概要

1歳6ヵ月健診において問題のなかった健常幼児と母親,発達障害の可能性のある非自閉症ハイリスク児と母親および自閉症ハイリスク児と母親それぞれ5組を対象に,自由遊び場面における母子相互交渉の観察を行った.
健常児は母親に対して指さしやshowing,話しことばで働きかけ自分の意図を伝えようとしている.それに対し非自閉症ハイリスク児は母親に対して自分の意図を伝えようとしている行動は観察されたが,健常児に比べると弱くわかりにくいものである.そのうえ,母親が働きかけると応えるが,母親が働きかけなければ子どもからは働きかけることが少なく,子どものコミュニケーション意欲は低いものである.ただ時間の経過により,次第に健常児のやりとりの様相に近づいてくることが観察される.
一方自閉症ハイリスク児は母親に働きかけること自体が少なく,母親と何かしようという意図も読みとりにくい.非自閉症ハイリスク児にも観察される情動の共有や共同注意は自閉症ハイリスク児では観察されず,自分の要求を母親に伝えようとすることはあっても子どもからの一方的なものであり,やりとりにはなっていない.
さらに3歳の時点で追跡調査を行うと健常時には発達上の問題は出ていない.非自閉症ハイリスク児5名中4名の追跡が可能で,その4名には自閉症状は認められなかった.しかし,自閉症ハイリスク児5名中3名は自閉症の診断基準を満たし,1名は自閉症の特徴は持っているが診断基準は満たしていなかった.その他の1名は自閉症状がやわらぎ,診断基準は満たしていなかった.
今後は閉症状がやわらぐケースがあるので,1歳6ヵ月時点での母子のやりとり行動の特徴と早期療育との関係を分析する必要がある.

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公開日: 1999-03-16  

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