幼児・児童の音声単位に関するメタ言語意識を記述する基礎資料を得ることを目的にして、方言使用地域の小学生の授業場面における、方言と共通語のコードスイッチング現象に注目した。小学1年生から4年生までの教室談話を分析して、以下の3点を明らかにした。 (1)方言音声ならびに語彙の特徴の記述 (2)方言音声の使用される環境、使用の手掛かり (3)共通語への移行の環境と手掛かり 特に(3)について共通語へ移行する際には、これが共同行為として成立し、教師の発するさまざまな身体的アーチファクトが利用されているという、従来にない新しい知見を得ることができた。
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