本研究は、従来取り上げられてこなかった、方言使用地域の幼児および就学期児童の、メタ音声的能力の発達を明らかにすることを目標とした。 この目標のために、まず、山形県庄内の保育園、小学校児童の方言と共通語の交替現象に関する会話分析を行って基礎的データをえた。特定のクラスを保育園から小学校1年まで追跡し、音声・映像資料を収集し文字化して談話コーパスを作成した。方言を授業の公式度の違いを表示、理解するリソースにしていることが明らかになった。 次に音声に対する自覚的な構えを実験的に調べるために、方言と共通語を用いる絵カード選択課題を作成し、就学前幼児のメタ音声能力の発達過程を検討した。仮名文字という書き言葉の習得と、共通語に対する分解や方言の自覚が相関していることが明きらかになった。
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