本研究は、配偶者と死別した人々の悲嘆を緩和するために、様々な援助的介入を行い、その効果を介入の前後に実施した心理テストから検討することによって、どのような介入方法が効果的であるかを明らかにすることを目的として実施した。 配偶者と死別した人々の悲嘆緩和のための介入として、平成6年度は「連続講座」を、平成7年度は「ウィドウ・ミーティング」と電話を利用した「ピア・カウンセリング」及び「フレンドリィ・ダイアル」を実施し、各介入の開始時と終了時に効果測定のための心理テストを施行した。参加者は「連続講座」では123名、「ウィドウ・ミ-ティンブ」では14名、「ピア・カウンセリング」では50名、「フレンドリィ・ダイアル」では70名であった。またピア・カウンセリングとフレンドリィ・ダイアルを「併用」した参加者は238名であった。フレンドリィ・ダイアルを含む介入に参加した者は当初から精神的健康度が比較的良く、他の介入の参加者と比べて若干質が異なっていた。 介入の効果については、「連続講座」では受講者のうちの70%の者が精神的健康度の改善を示した。「ウィドウ・ミーティング」の参加者では64%であった。「ピア・カウンセリング」では52%、「フレンドリィ・ダイアル」では62%、ピア・カウンセリングとフレンドリィ・ダイアルの「併用」では66%の者が改善を示した。 配偶者と死別した人々を対象に4つの介入を実施し、その効果を検討したが、少なくとも過半数の者が介入によって精神的健康度が改善しており、介入が効果的であることが示された。しかし、「ウィドウ・ミーティング」を除く全ての介入では、精神的健康度が悪化した者もあったため、更に安全で効果的な介入を行うには、参加者の質や状況を考慮して介入方法を選択、或いは併用することが重要であることが示唆された。
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