研究課題/領域番号 |
06610151
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉村 宏 北海道大学, 教育学部, 教授 (20113574)
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研究分担者 |
松本 伊智朗 札幌学院大学, 人文学部, 講師 (20199863)
町井 輝久 北海道大学, 教育学部, 助教授 (60091500)
青木 紀 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80125484)
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キーワード | Uターン青年層 / 福祉参加 / 定住指向 / 人口減少地域 / 地域福祉 |
研究概要 |
人口が減少している地域の3万人規模の地方都市の中から道南の伊達市と道北の士別市を選び、青年会議所、市教育委員会、中小企業家同友会、農協などの協力を得て、地元青年層を対象としたアンケート調査を研究代表者と研究分担者で協同して実施した。 調査項目は、(1)家族状況、(2)出身地・出身学校、(3)就業の状況、(4)地域活動・行事への参加状況、(5)これまでの学校生活の状況、(6)地域観・定住志向など63項目である。 地元で働く青年の多くは、進学や就職で一時期地域を離れて、再び地元に戻ってきたいわゆるUターン層であり、都会的なライフスタイルは身に付けながらも、同時に地方生活の良さも再認識している青年層である。彼等の多くは必ずしも福祉的な活動に直接関わっているわけではないが、地域で就労し生活していること自体が有形無形の地域福祉参加となっている点に注目する必要がある。また直接的な福祉活動への参加青年層の特徴としては、男性の場合は、結婚を契機に地域の行事やサークル、ボランティアへの参加など地域社会との関係を深めいく傾向があり、女性の場合も結婚して地元に定着する場合は同様の傾向にあることが上げられる。また地元青年の社会的評価は、「学力」中心の人間観からするとこれまで必ずしも高いものではなかったが、地域福祉への参加という視点からみるともっと積極的に評価する必要があり、今後こうした点から地元青年層のライフスタイルと地域福祉への参加の問題を深めていきたいと考えている。 当初一地域を対象として、アンケート調査とインテンシヴな聴き取り調査を行なう予定であったが、人口規模はほぼ同じであるが地域の産業構造や地域福祉の展開の違いのある複数の地域で行なうことにより、調査の精度と広がりを持たせる配慮をしたために、聴き取り調査は次年度、アンケート調査を参考にして実施する予定である。
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