本年度(平成6年度)は、宮城県気仙沼市に研究の主力を注ぎ、あわせて鶴岡市の研究に従事した。気仙沼市は宮城県における漁業の中心地であり、とくに遠洋漁業の根拠地としては、東北最大の漁業都市である。しかし、近年の漁業をめぐる環境の厳しさにともない、都市そのものも低滞しているといってよい。しかし、歴史的には、周辺漁村の漁業生産の展開と関わりながら発展してきたことは事実である。本年度は気仙沼市、およびその周辺、とりわけ唐桑町に赴き、漁業生産に関する文献、史料、資料の収集と、気仙沼市に当地する漁業協同組合、魚種別組合、事業所等の資料等の収集と聴き取り調査を主として行った。鶴岡市の調査においては、漁業集落である加茂、小波路の二つの地区における資料収集と聴き取り調査を実施した。
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