(1)昭和恐慌期・戦時体制期に産業組合運動が農本主義を母体として展開した実態、 (2)農本主義をイデオロギー的な支えとした産組運動が地主勢力に対抗した実態、 (3)国策展開による、産組運動・農本主義における体質が変わって行く実態、 (4)以上の過程において庄内地方の村落と農民生活が変化した実態 本研究は、山形県庄内地方をフィールドとして、以上の実態を解明することを目的としている。 「研究計画・方法」にもとづき、平成6年度をとおして以下の調査・研究を実施してきた。 (1)山形県旧新堀村を調査対象地とし、現地において古老からの聞き取り調査を実施し、 (2)昭和恐慌期・戦時体制期における農本主義と産組資料の収集と検討を行い、 (3)「山形県自治講習所」における加藤完治関連の資料を収集し、 (4)新堀村役場資料、産業組合資料、農本主義的農民団体資料、旧庄内藩主勢力資料、及び部落文書等を収集し、関連する聞き取りを実施し、 (5)研究会を開き、収集資料と聞き取りの整理を行い、研究の到達点を明らかにするよう努めた。 現在、収集し、聞き取りによって得たデータの解析をさらに行いつつあり、また平成7年度における各人の論文執筆テーマそくした重点的な調査と執筆に備えつつある。 研究計画にもとづく着実な調査研究を行ってきた、ということができるであろう。
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