研究課題/領域番号 |
06610171
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田中 悟郎 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00253691)
|
研究分担者 |
上村 真紀 長崎大学, 医療技術短期大学部, 助手 (30232797)
太田 保之 長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50108304)
|
キーワード | 精神分裂病 / 家族支援 / 生活技能訓練 / 家族機能 |
研究概要 |
一私立単科精神病院(佐賀県武雄市に位置する園田病院)のデイケア通所者の家族教室の構造は、講義(教育的部分=知識・情報伝達)と懇談会(家族療法的部分=カタルシス+生活技能訓練・問題解決技能訓練)からなり、複合家族集団で行っているが、現在までに以下の知見が得られた。 (1)複合家族集団は、病者と生活することで狭まっている家族の社会的ネットワークを広げ、家族の孤立感、罪悪感などを軽減することができる。 (2)家族から出された問題への対処法は、講義などからの知識をどう応用するかになるが、参加家族それぞれから可能性のある解決策について意見を出してもらい、皆で検討している。この他家族へ助言するという過程を通じて、家族は自信を取り戻すことができる。 (3)互いの体験を率直に表現できるような集団の雰囲気作りが治療者の大きな役割となる。 (4)家族の「今まで知らなかったことが分かった」という体験は不安感や恐怖感を取り去り安心感を増すことができるが、それだけでは患者家族間の関係を変えるには限界がある。このため、「ものの見方」が変わることが「ふるまい方」の変化につながるところまで丁寧に支援する、つまり「どのようにしたか」「どんな反応が返ってきたか」という行動レベルの情報に焦点を当てるという技法が特に必要になる。
|