研究課題/領域番号 |
06610188
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
笠原 清志 立教大学, 社会学部, 教授 (80185743)
|
研究分担者 |
横浜 征四 情報科学研究センター, 主任研究員
白石 典義 立教大学, 社会学部, 助教授 (60171039)
|
キーワード | 日中文化摩擦 / 日中文化葛藤 / 中国進出日系企業 / 日本人派遣要員 / 中国人従業員 / 異文化接触 |
研究概要 |
平成6年度に行った研究活動は、既存の関連資料を分析することにより、また、現地の大学で日本語会話を教育したことのある教育者やその分野の専門家に対してインタビューを行うことによって、現地の生活、文化、習慣、価値観等に関する与件を得、これをもとに、ヒアリング調査のフレームを考えたが、実際、調査を行ってみると、部分的にではあるが、予想に反した結果が得られたように思われる。 例えば、これまでの中国人については、どちらかといえば都市部と農村部による違いはあるとはいうものの、凡そ、全国的に共通したものの考え方、生活の習慣、という捉え方が比較的多かったように思われる。しかし、実際のところ、日本人が観察する場合は、同じ地域でも体験した人によって、また体験した地域によって、その地の人に対する見方、捉え方が異なるようであるし、中国人の場合でも、出身地によって、また生活環境によって、日本人に対する見方、捉え方が異なっているようである。 日本で紹介されている中国人の意識に関する多くの調査結果は、大抵の場合、特定の地域で行われた調査で中国を代表させているケースが多い。また、見た感じだけで捉えたものをまとめて「中国論」を展開する書物も多い。しかし、上記のように、人、地域、環境などの違いに加えて、歴史の流れ、社会体制の流れ等、表には現れにくい背景があったりすることがある。中国のように多様な民族、文化、習慣、価値観のあるところでことさらそうである。中国について語るには、やはり相応の調査、研究が必要であろう。 今年度は、これらの観点に立って、調査資料も含め、各種資料をとりまとめ、『異文化社会における文化摩擦に関する実証的研究-中国編-その1』というタイトルのもとに論文集として発行した。
|