本研究は、全国的な産業リストラにより深刻な事態をまねいている地方都市がどのような方策をもって都市活性化を進めようとしているかを「資源」もしくは「地域資源」と「ネットワーク」の視点から解明しようとしたものである。具体的には、理論的研究として資源と地域社会に関する基本的枠組みの構築を行った。そこでは、地域社会を「資本の位相」「地域生活の位相」「地域政治の位相」の3つに位相で据え、「地域資源」は主に「資本の位相」に関わるものであることを明らかにした。しかし、この「地域資源」の充実は資本の位相のみの問題ではなく、その利用は「地域政治の位相」において決定され、それが「地域生活の位相」と深く関わることを解明した。このような枠組みから、地方都市の都市活性化の試みを見ると、それは「資本の位相」と「地域生活の位相」の充実のために「資源」の動員を進めていることを意味することを明らかにした。 また、この理論研究を実証するために、情報ネットワークの整備が進んでいる諏訪市を取り上げ、インテンシブに解明した。諏訪市は、精密機械工業を中心に発展してきた地方工業都市であるが、その発展に地域資源(労働力と既存施設の利用等)があったことを明らかにした。しかし今日、精密機械工業は衰退い傾向にある。その理由は、安価な労働力の枯渇、利用可能な土地の不足など、これまで諏訪市の工業発展を支えてきた地域資源の枯渇にあることを解明した。そのような状況に対し、地元産業界を中心に様々な構想が立てられ、どのように地域資源を蓄積しようとしているのかを明らかにした。上記の地域社会理論を応用し、地方都市におけるこの過程と構造を例証した。
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