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1994 年度 実績報告書

移民母村の社会学的研究-和歌山県日高郡美浜町三尾地区を事例に-

研究課題

研究課題/領域番号 06610200
研究機関関西学院大学

研究代表者

山本 剛郎  関西学院大学, 社会学部, 教授 (90068742)

研究分担者 三上 勝也  神戸女学院大学, 文学部, 教授 (10068752)
キーワードむらの精神 / ライフヒストリー / 社会構造 / 地域構造 / 階層
研究概要

美浜町役場、御坊市役所で得た資料、三尾の漁業協同組合での聞き取り、および三尾住民とのインタビューを通して、大要以下のような知見が得られたと考える。
1)和歌山県が推進している日高港I期港湾整備と関わって三尾漁協では魚場の荒廃(磯焼け現象、浮泥の堆積化)、環境アセスメントが大きな問題となっている。これと、漁協が進めている栽培漁業、およびこの栽培漁業を精神面から支えている「むらの精神」=カナダ渡航の経験、その関連が来年度の課題の一つと考える。
2)三尾カナダ連絡協議会、美浜町国際交流協会が窓口となっている「日系カナダ人の補償問題」については、その経過を踏まえ、住民のこの問題に対する考え.認識を家族関係・ライフヒストリーの聞き取りのなかでおさえる努力をしている。今のところこの問題に対して多くを語ろうとする人は少ない。何故なのかを含めて検討中である。なお、家族関係、ライフヒストリーについてはかなりの資料を得、整理を急いでいる。
3)カナダへの移住を送り出した家(世帯)とそうでない家(世帯)の社会・経済的な歴史分析に加えて、むらの地域構造・社会構造の分析も進めている。貧富の差のない小さな漁村ではあったが、そのなかにあってもごくわずかの家と、そのもとで生計を維持している多数の家とに分かれていたことが判る。カナダ移住がこれをどのように変えたのか、あるいは、変えなかったのか、を問題としている。
4)過疎化・高齢化の一層進むなかで、「アメリカ村(渡航者の多くはカナダに出かけたのであるが、三尾は昔からこのようによばれている)」を逆手にとつて別荘の開発も盛んである。しかし、漁協はこれに反対の立場をとっている。地区としてどのように調和をはかるか、が今後の課題である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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