職業高校における「専門教育の内容と将来の職業生活の対応関係がますます希薄になっていく」という指摘がなされている。なかでも農業高校がかかえている問題の解明のため、文部省統計で把えられていない小学科毎の卒業者の進路、教育内容と職業選択、入学者の性格等を分析すべく学校単位の実態調査を行った。 調査対象は宮城県加美農業高校、同県伊具高校、新潟県立加茂農林高校、同県新発田農業高校で、昭和45年度以降の応募状況、保護者の職業、教育課程・教育内容、卒業後の進路等の把握につとめた。更に3年生を対象に「進路決定についてのアンケート調査」を行い、報告書を作成したが、ここではアンケート調査について述べる。 (1)高校進学、卒業後の進路を考えるにあたり、多くの生徒は親を中心に家族と相談し、教師にも相談している。また、友達との相談も注目すべきであろう。(2)農業高校に入学した理由の中で最も高い比率の項目は「自分の成績にみあって」であり、次が「特に深い考えや理由はない」という消極的なものであった。(3)現在の学校、学校が第一志望であったかの点では、一応現在を肯定しているが、他方で否定的、消極的な対応があり、(2)と併せてみると不本意入学の側面がうかがえる。(4)卒業後の進路は他産業就職や専門学校等への進学の希望が多い。(5)学校生活への満足度は高いが学科によって違いがある。(6)学校生活や家庭生活で楽しい面は、圧倒的多数が友達とのつき合いをあげいることは全国調査と一致している。その他学校生活では実習、専門科目をあげている。
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