研究概要 |
平成6年度の研究によって得られた新しい知見は、以下の通りである。 1.EEC,EC及びEU(欧州連合)の職業資格、職業訓練に関する政策 (1)EEC(欧州経済共同体)時代の1963年2月1日に、欧州理事会はローマ条約第128条にもとづいて、「共通職業訓練政策の実施に関する一般原則」(General Principles for Implementing a Common Vocational Training Policy)を理事会決定として採択した。 (2)さらに1985年7月16日に同理事会は、「欧州共同体加盟国間の職業訓練資格の比較可能性」(the comparability of vocational training qualifications between the member states of European Community)を理事会決定として採択し、職業訓練・職業資格は、第1レベルから第5レベルまでの5つのレベルで構成され、各国独自の訓練や資格は、それらのいずれかに位置づけられることになった。共通化のための調整というよりも、各国での多様性を認めた上での比較対照に方針を転換したのである。 2.イギリスにおける職業教育・訓練及び職業資格制度の改革 (1)イギリスではロンドン市同業組合協会ほか多数の試験団体が様々な職業資格試験を実施してきたが、1986年に全国職業資格協議会(NCVQ)を設置し、第1レベルから第5レベルまでの5層構造から成る職業資格制度に再編成と構造化をはかりつつある。認定された資格は全国職業資格(NVQ)として表わされる。 (2)1992年には職業資格とナショナル・カリキュラムの橋渡しをする一般的全国職業資格(GNVQ)が新たに導入された。NVQもGNVQも、共にモジュール制(ユニット・クレジット制)を採用している。
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