1.大学院生の意識に関する分析 平成5年度に全国の大学院生を対象に実施したアンケート調査の再分析を実施し、大学院進学、就職や学費負担に関する意識の分野別の傾向等を分析し、問題点を抽出した。とくに、大学院における教育面に不満が大きいことがわかった。 2.特色あるケースについての聞き取り調査 就職や進学の動向に特徴がみられる医学、薬学分野について関係者の聞き取り調査を実施した。アンケート調査や各種統計に現われている傾向が一般的に認められるものであることが確認できた。 3.大学院生の教育費負担に関する分析 文部省学生生活調査により、大学院生の教育費負担の時系列分析を行った。 4.大学院生の就職に関する分析 既存の統計により、大学院生の就職の実態やオーバー・ドクターの実態、賃金の実態を調査した。 5.大学院生の教育投資の収益性に関する分析 大学院生の教育投資の収益性に関するシミュレーション・モデルを構築し、前記3、4のデータを用いてシミュレーションを実施した。その結果、現在の大学院卒業者の賃金面での処遇を、国立大学の場合、修士卒で5%程度、博士卒で12ないし17%上昇させてはじめて学部卒と同等の水準になることがわかった。
|