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1994 年度 実績報告書

旧制高校とパブリック・スクールにみるエリート教育の構造と機能の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610231
研究種目

一般研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

竹内 洋  京都大学, 教育学部, 教授 (70067677)

キーワードパブリック・スクール / 旧制高等学校 / トマス・ア-ノルド / 木下広次 / パブリック・スクール革命
研究概要

今年度は英国におけるパブリック・スクールの先行研究を整理することに研究目的があった。先行研究の整理の結果えられた知見はつぎのようなものである。パブリック・スクールの歴史は大きく三つにわけられることである。(1)18世紀末までのパブリック・スクールの時代(2)19世紀のパブリック・スクールの時代(3)1960年代後半からのパブリック・スクールの時代である。(1)は校内暴力とその鎮圧のパブリック・スクールの暗黒の時代であり、(2)はラグビ-校の校長トマス・ア-ノルドによってはじめられた学校改革によるジェントルマン養成所としての近代のパブリック・スクール時代である。(2)で完成したパブリック・スクール文化の時代は第一次世界大戦後、さらには第二次世界大戦後もつづいたが、1960年代後半から再度パブリック・スクールの革命がおこる。現代のパブリック・スクールの時代である。その変化は、教師と生徒の関係がより平等主義的になったこと、ゲームや軍事教練(Combined Cadet Force)の選択制、制服や規則などの自由度の拡大、通学化と共学化の進行、地域社会や公立学校との接触(Community service)、勉学の強調、ラテン語などの古典人文学に変わって自然科学やコンピューター関係の授業の重視などが生じている。このような変化は教育理念が主導したよりも第二次世界大戦後の平等化革命、経済的停滞によるサバイバル探索、若者文化(ポップ文化)への対応などによって生じた。パブリック・スクールのこのような変化は次年度の旧制高校についてのつぎのような研究枠組みを呈示する。旧制高校の(1)の時代と(2)の時代はどこにあり、ア-ノルドにあたるものは誰か。第一高等学校校長の木下広次か。また(3)の時代はもし旧制高校が戦後生き延びていたらならば、どのような学校としてサバイブしたかという問題になる。戦後社会と教育考える格好の思考実験のifとなる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Walford,G, 竹内洋 他訳: "現代のパブリック・スクール" 世界思想社, 300 (1996)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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