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1996 年度 研究成果報告書概要

旧制高校とパブリック・スクールにみるエリート教育の構造と機能の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610231
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育学
研究機関京都大学

研究代表者

竹内 洋  京都大学, 教育学部, 教授 (70067677)

研究期間 (年度) 1994 – 1996
キーワード旧制高校 / パブリック・スクール / 教養 / 社会移動 / 社会的再生産 / エリート / ジェントルマン / 武士
研究概要

本研究はまず旧制高校とパブリック・スクールの誕生の経緯と発展の概観をなし、とくに明治時代の旧制高等学校とビクトリア朝時代のパブリック・スクールにさまざまな点で類似性があることを指摘し、つぎに両者の類似と差異について学籍簿などのデータを集計、分析し実証的に比較研究している。知見のひとつは、旧制高校がかならずしも貧困層に開かれていたわけではなく、逆にパブリック・スクールが上流階層の独占学校でもないことである。旧制高校に社会的再生産の、パブリック・スクールに社会移動のメカニズムが働いている。もうひとつの知見はつぎのようなものである。パブリック・スクールは政治家や行政官などのジェネラリスト・エリートとくに父権的指導者を育成するのに成功したが、科学者などのスペシャリスト・エリートを育成するのに失敗した。旧制高校は自然科学や知識志向が強かったぶんいずれのエリートの育成にも対応できた。パブリック・スクール・エリートは伝統文化(ジェントルマン文化)と接続することによって安定したエリートであったが、革新能力を欠いた。一方、旧制高校の「教養」は西洋文化の吸収にあったから、伝統文化から切断され、そのぶん旧制高校エリートは軍国主義時代のショービニズム=伝統の創造の対抗力となりえなかった。これからの日本のエリート教育を考えるには、現在もサバイブしているパブリック・スクールの戦後社会の変貌を参考にしながら、もし戦後日本社会に旧制高校が存在したら、日本社会はどのようになっていただろうか、という思考実験をすることがよいだろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] G.ウォルフォード (竹内他訳): "パブリック・スクールの社会学" 世界思想社, 342 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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