本研究は、戦前の広島市と那覇市において子ども時代を過ごした人々のインタビューデータにもとづいて、過去の子どもの生活空間を再構成しようとするものであり、二か年の研究予定年度の初年度にあたる今年度においては、以下の活動を行った。 1.すでに、予備調査の段階で広島市と那覇市(首里と那覇)においてそれぞれ十名程度のインタビューを行っていたので、それにもとづいて鳥光が研究計画を提示し、それを討議した(その詳しい内容については、裏面記載の「両大戦間における都市化と子ども期(III)」に記載してある)。 2.広島市に関しては、(1)福島町、(2)竹屋町・尾道町、(3)白島町の三つの地域を中心的に証言をとることとし、今年度においてはとくに、福島町と白島町を中心にあわせて、二十名ほどにインタビューした。他方、首里・那覇に関しては、証言者の関係でなかなか地域限定が難しいこともあって、とりあえず、首里と那覇というおおまかな区分にもとづいて、これもあわせて二十名ほどにインタビューした。 3.その間、十一月には嘉数(那覇市担当)が広島に、二月には鳥光(広島担当)が那覇を訪問し、その際には共同でインタビューにあたった。 今後、平成七年度の四月中にもう一度、現在までの互いの証言データを持ち寄って、相互のデータにおいて欠けている点を討議し、今後の調査予定を調整するとともに、平成七年度の前半までにインタビュー作業は終え、成果のまとめ段階に入る予定である。
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