研究概要 |
本年度は,市街地域・近郊地域・農産地域(1984年調整及び1994年調査の協力校はその地域特性に類型化される)に位置する徳島市立小学校4校の協力を得て,保護者に対する調査を5月に実施した。また,1994年調査結果の基礎集計を終えた時点(7月)及び1984年調査と1994年調査との比較集計を整理した時点(9月)において,協力校の校長・教員を対象に地域の変化についての面接調査をそれらの集計結果に基づいて実施した。 これまで,1994年調査結果に関する分析考察及び1984年調査と1994年調査の比較考察を進め,学校週5日制という制度的な変化に関わり深い学校教育に対する保護者の期待に関して両年の調査結果を比較考察し,保護者には,学習の程度や量ともに現状程度に知育を行い学校の集団的な性格を発揮することが欠かせない行動特性(例えば,指導性や協調性や寛容さ)を学校教育の分担役割とする点への期待が一層強く意識されていること,教師と子どものふれあいや相互信頼を健全育成に必要な事柄とし支持的な関心から個々の子どもへの理解を一層進めていくことが強く意識されていることなどの相違を明らかにした(「学校教育に対する保護者の期待の変化に関する考察」)。また,現在,学校週5日制に対する意識の差異を手がかりに,現行の第2土曜休業における子どもの様子や家庭・学校・地域社会の役割分担に関する保護者の意識を分析考察しており,日本教育経営学会第35回大会に発表予定である。それらを踏まえて,家庭・学校・地域社会の教育連携に関する保護者の意識の変化や地域の状況の変化の資料とともに,行政施策の変化や行政の支援との関わりにおける地域や学校の取り組み状況の差異についての資料を収集しその考察を踏まえ,10年の時間の経過による変化を検討して,学校週5日制における家庭・学校・地域社会の教育連携の推進方策に関する教育経営への示唆を明らかにする予定である。
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