平成7年度の研究活動は、以下の3点に分けられる。 ひとつは、ドイツ成人教育方法論をテーマとするJ・ヴァインベルク教授の著書『変動する社会と成人教育』の翻訳を玉川大学出版部より出版したことである。この翻訳作業は、男性問題学習というテーマに直接は関連しないが、東西ドイツの統一という価値観の大変動の中での成人(男性・職業人・社会人を含む)の教育内容・方法はいかにあるべきかという問いは、基礎理論構築としての意味をもっていた。 2点目は、わが国における男性問題学習の実践、さらには理論に関する資料収集である。都内を中心とする実践例の資料収集をすすめたほか、「男性向けセミナー」(東京都中野区、平成7年6月〜7月)や、「花婿学校」(日本青年管、平成7年6月〜12月)の事業には昨年度から継続してチューター・助言者として参加し、プログラムの作成から実施、評価にいたるまで作業にたずさわった。 3点目は、海外における男性問題学習実践と理論に関する資料収集につとめた。邦訳文献のほか、アメリカ・カナダの文献収集をおこなった。来年度は、カナダ・ブロック大学教授P・クラントンの『成人学習者が学ぶということ』を翻訳し出版する予定である。 なお1点目に関しては、7月に実際にドイツに出向き、ヴァインベルク教授と出版の最終打ち合わせをしたことをつけ加えておきたい。
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