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1996 年度 実績報告書

ニクラス・ル-マンのコミュニケーション論の教育学への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06610257
研究機関東京工芸大学

研究代表者

今井 重孝  東京工芸大学, 工学部基礎・教養, 教授 (80160026)

キーワードル-マン / コミュニケーション / 授業システム / 自己準拠 / 因果プラン / 情報 / 伝達 / 理解
研究概要

ル-マンのコミュニケーション論の特徴は、従来のコミュニケーション理論のように、発信者、メッセージ受信者によってコミュニケーションを分節化するのではなくて、情報、伝達、理解によってコミュニケーションを分節化する点と、社会システムの要素をコミュニケーションとして捉え、社会システムを自己準拠的に捉え、心的システムは、社会システムの環境・外部として把握する点にある。従来のコミュニケーション論では、メッセージはそのまま誤解なく伝達されることが前提されていたが、実際のコミュニケーションには誤解も多い。というより解釈のズレこそがコミュニケーションの豊かさを保障しているといえる。こうした実態を把握するには、伝達内容(=情報)と伝達意図(=伝達)を区別して、さらに理解と誤解の次元を区別する必要がある。また、従来の授業分析においては、生徒と教師のコミュニケーションという視点が強く、授業自身が要素としてのコミュニケーションによって自己準拠的に進展していくという視点に欠けていた。この観点に立つと、授業システムの自己準拠と教師の自己準拠、生徒の自己準拠が区別できることになる。そうすると教師や生徒の発言は、単に教師や生徒の発言としてではなくて、授業システムにおけるコミュニケーション要素として位置づけられる。従って、情報、伝達、理解についても、生徒の側からすれば、教師の伝達意図を授業コミュニケーションシステムとの関係で把握する必要が生じる。教師の側からすれば、今までの授業システムと一人一人の生徒の自己準拠システムへの理解に基づいた因果プランにより発言を行うということになる。こうしたモデルにより新しい授業分析が可能となる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 今井重孝: "コミュニケーションとしての教育-ニクラス・ル-マンの理論的特性" 東京工芸大学工学部紀要. Vol.17,No.2. 9-17 (1995)

  • [文献書誌] 今井重孝: "システム論の立場から教育哲学を問う" 教育哲学研究. 71. 23-28 (1995)

  • [文献書誌] 今井重孝: "システム論の立場より" 近代教育フォーラム. 4. 097-201 (1995)

  • [文献書誌] 今井重孝: "ルドルフ・シュタイナ-と倉橋照三" 東京工芸大学工学部紀要. Vol.18,No.2. 37-44 (1996)

  • [文献書誌] 今井重孝: "大学カリキュラムと人間形成" 東京工芸大学工学部紀要. Vol.19,No.2. 1-8 (1997)

  • [文献書誌] 今井重孝他7名: "教育と学校を考える" 勁草書房, 269 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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