(1)私立高等学校における国際理解教育の現状 国際理解はそれぞれの学校が試行錯誤的におこなっている。交流事業が最も多いが、最近の傾向としては海外修学旅行が増加している。海外修学旅行は二つの観点から実施されていた。 (1)私学としての特異性のアピール (2)海外修学旅行を語学とコミュニケーション能力の学習としておこなう。 (2)ヨーロッパ地区の私立在外校の面接調査 (1)在外校において、国際理解が組織戦略として構築されるが、その戦略化の強度は(1)設立母体の進出動機、(2)在外校としての差異性によって決定される。 (2)在外校には二つのニーズがある。異文化理解を深めたいというニーズと、帰国後の進学準備へのである。 (3)外国大学進学への対応に関しては、アメリカの大学をターゲットとする戦略が最も容易であり、ヨーロッパの大学は音楽関係を除いては困難であった。 (4)認定校であるため、学習指導要領に縛られることが語学を中心とした国際理解教育に限界となっている。 (5)教員の勤務年数が短く、教育方法の伝達などの組織学習に困難があった。 (6)在留子弟の数は減少しつあり、かわりに日本からの生徒が増加しつつある。それにともなって、在外校の多くは留学のための学校としての性格を強めつつある。
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