本研究は相互に関連する次の2つの内容からなりたっている。 (1)大平洋戦争後の、中央における生活改善の動きと、新生活運動の、理念と運動の具体相を、関係諸機関の資料にもとづき、明らかにすること。 (2)各地域において、それらが、民俗生活をどのように変えていったか、あるいは熱心な運動にもかかわらず、変えることのできなかったものは、何かを地域の実態調査にもとづいて明らかにし、政府や政府諸機関の諸施策と民俗の変化との関わりを明らかにすること。 このうち、(1)は平成5年度において、ある程度明らかにできたが、なお、本年度は、農水省の図書館などで、未見の諸資料で、深めることができた。(2)は、福島県の会津地方と岐阜県の西部(揖斐郡・本巣郡)において実態調査を行なった。特に岐阜県では、県立図書館の資料と、かつて生活改善に携っていた人々の話から渋滞なされることのなかった新たな調査研究ができたと思っている。その他、今後の関連資料収集のために、千葉、茨城など、比較的近い地域で調査することもでき、有益であった。
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