研究課題
本研究によって、日本中世仏教の基本構造は、「体制仏教」「反体制仏教」「超体制仏教」の三つの思想空間から成り立っていたことが確認された。また、この「体制仏教」の一半を占める「武家的体制仏教」は鎌倉幕府の宗教世界を構築し、その基調は「禅密主義」(臨済禅と真言密教の総和)に彩られていた。幕府はこの「禅密主義」を東国地域に、一種の「宗教的祭祀権」の行使という形で現実化し、もっと幕府の国家権力を誇示した。執権時頼の東国廻国とは、まさにその歴史的形象に他ならない。
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